Arziyan 願い事  ARレヘマーンはコンスタントにカッワーリー風の映画挿入歌を作曲しており、名曲が多いのだが、「Delhi-6」で使われたこの「Arziyan」はその中でも最高傑作と言えるだろう。映画中では部分的にしか使われていないので、8:41ある曲をフルで聴きたかったらサントラCDを購入するしかない。オールドデリーのジャーマー・マスジドで無数のイスラーム教徒が集団礼拝する圧巻のシーンから始まり、主人公がスーフィー聖者廟(ダルガー)に参拝するシーンが主になっている。ジャーヴェード・アリーとカイラーシュ・ケールの2人の歌手による熱唱。
अरज़ियाँ
アルバム Delhi-6
作曲 AR Rehman
作詞 Prasoon Joshi
歌手 Javed Ali, Kailash Kher
踊り アビシェーク・バッチャン、ソーナム・カプールなど

アルズィヤーン サーリー マェン チェヘレー ペ リクケ ラーヤー フーン
अरज़ियाँ सारी मैं चेहरे पे लिखके लाया हूँ
願い事を全て、私は顔に書いてやって来ました

「पे(ペ)」は後置詞「पर(パル)」と同じ。韻律を整えるために詩の中でよく使われる。
トゥムセ キャー マーングーン マェン トゥム クド ヒ サマジュ ロー
तुमसे क्या माँगूँ मैं तुम ख़ुद ही समझ लो
あなたに私が何を願うか、あなたには言わなくても分かるはずです

「あなた」とは、聖廟の主である聖者、または神のこと。ここでは分かりやすくするために「神」と訳した。
ヤー マォラー・・・ マォラー マォラー メーレー マォラー マォラー
या मौला... मौला मौला मेरे मौला मौला...
ああ、神よ・・・神よ、神よ、我が神よ、神よ・・・

マォラー マォラー マォラー メーレー マォラー
मौला मौला मौला मेरे मौला
神よ、神よ、神よ、我が神よ

マォラー マォラー マォラー メーレー マォラー
मौला मौला मौला मेरे मौला
神よ、神よ、神よ、我が神よ

マォラー マォラー マォラー マォラー
मौला मौला मौला मौला
神よ、神よ、神よ、神よ

マォラー マォラー マォラー マォラー
मौला मौला मौला मौला
神よ、神よ、神よ、神よ

このラインはジャーヴェード・アリーとカイラーシュ・ケールの歌声が重なる。だが、基本的に交代で歌っている。以下、いちいちヴォーカルの名前は挙げない。
ダラーレーン ダラーレーン ハェン マーテー ペ マォラー
दरारें-दरारें हैं माथे पे मौला
額にはシワが耐えません、神よ

マランマト ムカッダル キ カル ドー マォラー メーレー マォラー
मरम्मत मुक़द्दर की कर दो मौला मेरे मौला
運命を良い方向に導いて下さい、神よ、我が神よ

「額がシワだらけ」とは「困ったことばかり」という意味。
テーレー ダル ペ ジュカー フーン ミター フーン バナー フーン
तेरे दर पे झुका हूँ मिटा हूँ बना हूँ
あなたのお膝元で跪き、全てを差し出し、今の私があります

テーレー ダル ペ ジュカー フーン ミター フーン バナー フーン
तेरे दर पे झुका हूँ मिटा हूँ बना हूँ
あなたの聖廟で跪き、全てを差し出し、今の私があります

マランマト ムカッダル キ カル ドー マォラー
मरम्मत मुक़द्दर की कर दो मौला
運命を良い方向に導いて下さい、神よ、我が神よ

マランマト ムカッダル キ カル ドー マォラー
मरम्मत मुक़द्दर की कर दो मौला
運命を良い方向に導いて下さい、神よ、我が神よ



ジョー ビー テーレー ダル アーヤー ジュクネー ジョー サル アーヤー
जो भी तेरे दर आया झुकने जो सर आया
あなたの聖廟にお祈りにやって来た者は誰も

マスティヤーン ピエー サブコ ジュームター ナザル アーヤー
मस्तियाँ पिए सबको झूमता नज़र आया
陶酔して身体を揺らしているのが見えます

ジョー ビー テーレー ダル アーヤー ジュクネー ジョー サル アーヤー
जो भी तेरे दर आया झुकने जो सर आया
あなたの聖廟にお祈りにやって来た者は誰も

マスティヤーン ピエー サブコ ジュームター ナザル アーヤー
मस्तियाँ पिए सबको झूमता नज़र आया
陶酔して身体を揺らしているのが見えます

ピャース レーケ アーヤー ター ダリヤー ヴォ バル ラーヤー
प्यास लेके आया था दरिया वह भर लाया
喉を渇かしてやって来た者は、海を手に入れて帰って行きます

ヌール キ バーリシュ メン ビーグター・サ タル アーヤー
नूर की बारिश में भीगता-सा तर आया
神の光の雨を浴びたかのような幸せを得られます

ヌール キ バーリシュ メン オー・・・
नूर की बारिश में ओ...
神の光の雨を・・・

ヌール キ バーリシュ メン ビーグター・サ タル アーヤー
नूर की बारिश में भीगता-सा तर आया
神の光の雨を浴びたかのような幸せを得られます

マォラー マォラー マォラー メーレー マォラー
मौला मौला मौला मेरे मौला
神よ、神よ、神よ、我が神よ

マォラー マォラー マォラー メーレー マォラー
मौला मौला मौला मेरे मौला
神よ、神よ、神よ、我が神よ

マォラー マォラー マォラー マォラー
मौला मौला मौला मौला
神よ、神よ、神よ、神よ

マォラー マォラー マォラー マォラー
मौला मौला मौला मौला
神よ、神よ、神よ、神よ

ダラーレーン ダラーレーン ハェン マーテー ペ マォラー
दरारें-दरारें हैं माथे पे मौला
額にはシワが耐えません、神よ

マランマト ムカッダル キ カル ドー マォラー メーレー マォラー
मरम्मत मुक़द्दर की कर दो मौला मेरे मौला
運命を良い方向に導いて下さい、神よ、我が神よ

ジョー ビー テーレー ダル アーヤー ジュクネー ジョー サル アーヤー
जो भी तेरे दर आया झुकने जो सर आया
あなたの聖廟にお祈りにやって来た者は誰も

マスティヤーン ピエー サブコ ジュームター ナザル アーヤー
मस्तियाँ पिए सबको झूमता नज़र आया
陶酔して身体を揺らしているのが見えます

ジョー ビー テーレー ダル アーヤー ジュクネー ジョー サル アーヤー
जो भी तेरे दर आया झुकने जो सर आया
あなたの聖廟にお祈りにやって来た者は誰も

マスティヤーン ピエー サブコ ジュームター ナザル アーヤー
मस्तियाँ पिए सबको झूमता नज़र आया
陶酔して身体を揺らしているのが見えます



「दर(ダル)」とはダルガー(聖廟)のこと。
オー・・・エーク クシュブー アーティー ティー
ओ... एक ख़ुशबू आती थी
あぁ、どこからかいい香りがして来ていました

オー・・・エーク クシュブー アーティー ティー
ओ... एक ख़ुशबू आती थी
あぁ、どこからかいい香りがして来ていました

マェン バタクター ジャーター ター
मैं भटकता जाता था
私はその香りの元を求めて彷徨い続けていました

レーシュミー・スィ マーヤー ティー
रेशमी-सी माया थी
絹のような幻影が邪魔し

アォル マェン タクター ジャーター ター
और मैं तकका जाता था
ただ私は目を凝らし続けていました

ジャブ テーリー ガリー アーヤー サチュ タビー ナザル アーヤー
जब तेरी गली आया सच तभी नज़र आया
あなたの聖廟に来て初めて真実が見えるようになりました

ジャブ テーリー ガリー アーヤー サチュ タビー ナザル アーヤー
जब तेरी गली आया सच तभी नज़र आया
あなたの聖廟に来て初めて真実が見えるようになりました

ムジュメン ヒ ヴォ クシュブー ティー
मुझमें ही वह ख़ुशबू थी
私の中にその香りが元があったのです

ジスセ トゥーネ ミルワーヤー
जिससे तूने मिलवाया
あなたがそれを分からせてくれました

マォラー マォラー マォラー メーレー マォラー
मौला मौला मौला मेरे मौला
神よ、神よ、神よ、我が神よ

マォラー マォラー マォラー マォラー
मौला मौला मौला मौला
神よ、神よ、神よ、神よ

マォラー マォラー マォラー マォラー
मौला मौला मौला मौला
神よ、神よ、神よ、神よ

ダラーレーン ダラーレーン ハェン マーテー ペ マォラー
दरारें-दरारें हैं माथे पे मौला
額にはシワが耐えません、神よ

マランマト ムカッダル キ カル ドー マォラー メーレー マォラー
मरम्मत मुक़द्दर की कर दो मौला मेरे मौला
運命を良い方向に導いて下さい、神よ、我が神よ



この一節は、カビールの以下の詩を思い起こさせる。

कस्तुरी कुंडली बसे, मृग ढूँढ़े वन माही
ऐसे घट-घट राम है, दुनिया देखे नाही
ジャコウジカはジャコウの香りを求めて森を彷徨う
どこにも神はいるが、世間の人はそれを見ていない

神は誰にでも宿っていることを歌っている。

ハアアア・・・ トゥートゥケ ビカルナー ムジュコ ザルール アーター ハェ
हा... टूटके बिखरना मुझको ज़रूर आता है
あぁ、突っ伏しての哀願なら私にもできます

オー・・・ トゥートゥケ ビカルナー ムジュコ ザルール アーター ハェ
ओ... टूटके बिखरना मुझको ज़रूर आता है
あぁ、突っ伏しての哀願なら私にもできます

ワルナー イバーダト ワーラー シャウール アーター ハェ
वरना इबादत वाला शऊर आता है
他には礼拝の仕方を知っているだけです

「टूटके बिखरना(トゥートゥケ・ビカルナー)」を直訳すると「壊れて散らばる」。文脈から意訳した。
サジュデー メン レヘネー ドー アブ カヒーン ナ ジャーウンガー
सजदे में रहने दो अब कहीं न जाऊँगा
祈りに没頭させて下さい、もうどこにも行きません

サジュデー メン レヘネー ドー アブ カヒーン ナ ジャーウンガー
सजदे में रहने दो अब कहीं न जाऊँगा
祈りに没頭させて下さい、もうどこにも行きません

アブ ジョー トゥムネ トゥクラーヤー トー サンバル ナ パーウーンガー
अब जो तुमने ठुकराया तो संभल न पाऊँगा
今あなたに突き放されたらもうおしまいです

マォラー マォラー マォラー メーレー マォラー
मौला मौला मौला मेरे मौला
神よ、神よ、神よ、我が神よ

マォラー マォラー マォラー マォラー
मौला मौला मौला मौला
神よ、神よ、神よ、神よ

マォラー マォラー マォラー マォラー
मौला मौला मौला मौला
神よ、神よ、神よ、神よ

ダラーレーン ダラーレーン ハェン マーテー ペ マォラー
दरारें-दरारें हैं माथे पे मौला
額にはシワが耐えません、神よ

マランマト ムカッダル キ カル ドー マォラー メーレー マォラー
मरम्मत मुक़द्दर की कर दो मौला मेरे मौला
運命を良い方向に導いて下さい、神よ、我が神よ



サル ウターケ マェネ トー キトニー カーヒシェーン キー ティー
सर उठाके मैनें तो कितनी ख़्वाहिशें की थीं
頭を上げて私はどれだけ願い事をしたことでしょう

「सजदा(サジュダー)」は一般的には「सिजदा(スィジュダー)」と発音される。イスラーム教徒の礼拝のこと。
キッテー カーブ デーケー テー キトニー コーシシェーン キー ティー
कित्ते ख़्वाब देखे थे कितनी कोशिशें की थीं
どれだけ夢を見たでしょう、どれだけ努力をしたことでしょう

ジャブ トゥー ルーバルー アーヤー アー・・・
जब तू रू-ब-रू आया आ...
いざあなたが目の前に現れたとき・・・あぁ

ジャブ トゥー ルーバルー アーヤー ナズレーン ナ ミラー パーヤー
जब तू रू-ब-रू आया नज़रें न मिला पाया
いざあなたが目の前に現れたとき、目を合わせることができませんでした

サル ジュカーケ エーク パル メン オー・・・
सर झुकाके एक पल में ओ...
頭を下げたら一瞬の内に・・・あぁ

サル ジュカーケ エーク パル メン マェネ キャー ナヒーン パーヤー
सर झुकाके एक पल में मैंने क्या नहीं पाया
頭を下げたら一瞬の内に願い事がかなわなかったことはありませんでした

マォラー マォラー マォラー メーレー マォラー
मौला मौला मौला मेरे मौला
神よ、神よ、神よ、我が神よ

マォラー マォラー マォラー メーレー マォラー
मौला मौला मौला मेरे मौला
神よ、神よ、神よ、我が神よ

マォラー マォラー マォラー マォラー
मौला मौला मौला मौला
神よ、神よ、神よ、神よ

マォラー マォラー マォラー マォラー
मौला मौला मौला मौला
神よ、神よ、神よ、神よ

「कित्ता(キッター)」は「कितना(キトナー;いくら)」と同じ。
マォラー マォラー マォラー メーレー マォラー
मौला मौला मौला मेरे मौला
神よ、神よ、神よ、我が神よ

マォラー マォラー マォラー メーレー マォラー
मौला मौला मौला मेरे मौला
神よ、神よ、神よ、我が神よ

マォラー マォラー マォラー マォラー
मौला मौला मौला मौला
神よ、神よ、神よ、神よ

マォラー マォラー マォラー マォラー
मौला मौला मौला मौला
神よ、神よ、神よ、神よ



この部分もコーラスが重なる。
モーラー ピヤー ガル アーヤー モーラー ピヤー ガル アーヤー
मोरा पिया घर आया मोरा पिया घर आया
我が愛しの神が家にやって来た、我が愛しの神が家にやって来た

モーラー ピヤー ガル アーヤー モーラー ピヤー ガル アーヤー
मोरा पिया घर आया मोरा पिया घर आया
我が愛しの神が家にやって来た、我が愛しの神が家にやって来た

モーラー ピヤー ガル アーヤー モーラー ピヤー ガル アーヤー
मोरा पिया घर आया मोरा पिया घर आया
我が愛しの神が家にやって来た、我が愛しの神が家にやって来た

モーラー ピヤー ガル アーヤー モーラー ピヤー ガル アーヤー
मोरा पिया घर आया मोरा पिया घर आया
我が愛しの神が家にやって来た、我が愛しの神が家にやって来た

モーラー ピヤー ガル アーヤー モーラー ピヤー ガル アーヤー
मोरा पिया घर आया मोरा पिया घर आया
我が愛しの神が家にやって来た、我が愛しの神が家にやって来た

モーラー ピヤー ガル アーヤー モーラー ピヤー ガル アーヤー
मोरा पिया घर आया मोरा पिया घर आया
我が愛しの神が家にやって来た、我が愛しの神が家にやって来た

マォラー マォラー マォラー メーレー マォラー
मौला मौला मौला मेरे मौला
神よ、神よ、神よ、我が神よ

マォラー マォラー マォラー メーレー マォラー
मौला मौला मौला मेरे मौला
神よ、神よ、神よ、我が神よ

マォラー マォラー マォラー マォラー
मौला मौला मौला मौला
神よ、神よ、神よ、神よ

メーレー マォラー マォラー マォラー マォラー
मेरे मौला मौला मौला मौला
我が神よ、神よ、神よ、神よ

メーレー マォラー マォラー マォラー マォラー
मेरे मौला मौला मौला मौला
我が神よ、神よ、神よ、神よ

メーレー マォラー・・・
मेरे मौला...
我が神よ・・・
「मोरा(モーラー)」とは代名詞「मेरा(メーラー;私の)」と同じ。同じ歌詞がしつこく続くが、歌も佳境に入り、激しい陶酔感に陥っている様子が感じられる。