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  住民の家 Shiva City




住民の家

少女




 今、お家には誰もいないの。何か用だった?特に用事もなく来たの?変なの。それじゃあ、アタチがいいお話をしてあげる。「ガンガーとシャーンタヌ」ってお話よ。昨日、ママに買ってもらった本に書いてあったのよ。そういえばガンガー様って知ってる?ガンジス河の女神様なのよ。シヴァの街にもいらっしゃるけど、どこにいらっしゃるのかは秘密なんですって。それじゃあ、そこに座って。お話を始めるわよ〜。えっへん。
 

ガンガーとシャーンタヌ

ガンガーとシャーンタヌ
 昔々あるところに、ヴァスと呼ばれる8人の悪魔がいました。ヴァスたちは悪ふざけをして、偉い仙人様の頭の上を通り過ぎてしまいました。これは大変失礼なことでした。そこで仙人様は怒って、ヴァスたちに呪いをかけました。その呪いは「人間として生まれなければならない」という呪いでした。

 ヴァスたちは困ってしまって、どうせ人間に生まれ変わるなら、ガンガー様の子供として生まれたいと思いました。ヴァスたちはガンガー様のところへ行って、人間に生まれ変わるときのお母さんになってくれと頼みました。ガンガー様はヴァスたちの頼みを聞いてあげることにしましたが、その代わり自分の本当の子供が生まれたとき、8人がひとつずつ合計8つの力をその子供に与えるという条件を付けました。

 そこでガンガー様は人間の子供を産むために人間のお婿さんを捜さなければなりませんでした。ガンガー様は最初、プラティーパという王様と出会いましたが、その王様にはふられてしまいました。なぜならプラティーパ王の右の太ももの上に乗ってしまったからです。男の人の右の太ももの上は、その娘か、息子の妻しか乗ってはいけないのでした。プラティーパ王はガンガー様に言いました。「お前は私の右の太ももの上に乗ってしまったのだから、私の息子と結婚しなければならない。」

 やがて、プラティーパ王には一人の息子が生まれました。その名はシャーンタヌと言いました。シャーンタヌが大人になると、プラティーパ王はシャーンタヌに言いました。「お前のところに一人の少女が現れたら、必ず結婚するように。」そう言ってプラティーパ王は森へ隠遁生活をするために去っていってしまいました。こうしてシャーンタヌは王様になりました。

 ある日、シャーンタヌ王はガンジス河のほとりを歩いていました。すると、目の前に美しい少女が現れました。それがガンガー様だったのです。シャーンタヌ王はガンガー様の姿を見て一目惚れしてしまい、すぐに結婚を申し込みました。「私と結婚してください!」ガンガー様はこう答えました。「私のすることは何であっても決してとがめないと約束してください。そうすれば結婚して差し上げましょう。」シャーンタヌ王はすぐに約束をして、ガンガー様と結婚しました。

 やがて、シャーンタヌ王とガンガー様の間には7人の子供が生まれましたが、ガンガー様は子供が生まれるとすぐにガンジス河に投げ込んでしまいました。なぜなら人間として生まれたヴァスを天国へ送っていたのです。しかしそれを知らないシャーンタヌ王は、ガンガー様のすることを不思議に思いながらも、結婚するときに約束したことを思い出してじっと我慢していました。しかし、ガンガー様が8人目の子供を河に投げ込もうとしたとき、とうとう我慢しきれなくなってシャーンタヌ王はガンガー様に言いました。「なんでそんな残酷なことをするんだ?」

 ガンガー様はシャーンタヌ王が約束を破ったので、8番目の子供を連れてシャーンタヌ王の宮殿から去っていってしましました。ちゃんちゃん。これがシャーンタヌとガンガー様のお話よ。面白かった?

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