◆ロウ宮殿◆
 都の人々が、パーンダヴァの5王子が王位につくことを望んでいることを知った、カウラヴァ100王子の長男ドゥリヨーダナは、何とかして5王子を殺そうとした。そこでヴァーラナーヴァタという街にロウなどの燃えやすい材質でできた宮殿を造営させた。その宮殿は外見は全く普通の宮殿と変わらなかった。偶然の火事を装って5王子を殺害しようとしたのである。そして父王ドリタラーシュトラを説得して、5王子と母のクンティーをヴァーラナーヴァタへ送った。

 ヴァーラナーヴァタに到着したパーンダヴァの5王子はロウ宮殿に住まわされた。5王子はドゥリヨーダナの策略に気付いていたため、密かに地下道を掘って逃げ道を作り、自ら宮殿に火をつけて逃げ出した。ヴァーラナーヴァタの人々はパーンダヴァ一家が焼け死んでしまったと思い、ドリタラーシュトラ王に報告した。ドリタラーシュトラ王たちは、嘆き悲しむふりをして5王子たちの葬儀を行った。一方、生き延びたパーンダヴァ一家は、エーカチャクラの街に隠れ住んだ。