◆マツヤ対カウラヴァ・トリガルタ◆
 マツヤ国にパーンダヴァの5王子がいることを疑ったカウラヴァのドゥリヨーダナは、マツヤ国の仇敵トリガルタ国と手を結び、マツヤ国に攻め込んだ。まずはトリガルタ国が南から攻め込んできた。総司令官のキーチャカがいなくなったマツヤ軍は慌てたが、マツヤ国のヴィラータ王の相談役になっていたユディシュティラは、ビーマ、ナクラ、サハデーヴァと共に軍隊を率いてトリガルタ軍を撃退しに向かった。ヴィラータ王も軍を指揮したが、トリガルタ国の捕虜となってしまう。ところが、ユディシュティラやビーマらの活躍によって助け出され、逆にトリガルタ国王スシャルマンを生け捕りにして、トリガルタ軍の撃退に成功した。

 ところが、トリガルタ軍敗走の報がマツヤ国の都に伝わると同時に、今度は北からドゥリヨーダナがカウラヴァ軍を率いて攻め込んで来た。軍隊は皆、トリガルタ軍と戦うために出払ってしまっており、城内にはヴィラータ王の息子ウッタラ王子しか男は残されていなかった。それでもウッタラ王子は1人でカウラヴァ軍と戦う決意をして、宦官になっていたアルジュナに戦車の御者を頼んだ。ところが、いざ戦場に着いてみると、ウッタラ王子は強力なカウラヴァ軍を見て恐怖にかられて逃げ出そうとした。アルジュナはウッタラ王子の髪の毛をつかんで戦車の上へ引きずりあげると、王子を励まして勇敢に戦わせた。そしてアルジュナは1人でカウラヴァ軍を敗走させてしまった。