◆ユディシュティラへの祝福◆
 いざ戦争が始まろうとしている矢先、パーンダヴァの5王子の長男ユディシュティラは突然鎧を脱ぎ捨て、武器を放り投げて戦車から降り、クル軍の方へ一人で歩いていった。両軍の戦士たちはこの行為に驚き、その様子を黙って見守っていた。

 ユディシュティラはクル軍の兵士たちの中をかきわけ、総司令官のビーシュマのもとへ行き、身をかがめて礼拝した。ビーシュマはユディシュティラたちの祖父の兄弟にあたる偉大な人物だったからだ。そして、ビーシュマに戦争をすることの許可と、祝福を求めた。ビーシュマはユディシュティラのクシャトリヤ(武士階級)らしい行動に感心し、戦争の許可と祝福を受けた。

 ユディシュティラは同じように、自分の武術の師匠であるドローナやクリパのもとへも行った。彼らもクル軍に味方しており、戦わなくてはならない相手なのだ。ユディシュティラはドローナやクリパにも祝福され、味方の陣営に戻って来た。