◆ドゥッシャーサナの最期◆
 ドゥッシャーサナはカウラヴァの100王子の一人である。ユディシュティラとシャクニがサイコロ賭博をして、ユディシュティラが妻のドウラパディーまでも失ってしまったとき、賭博場にドウラパディーの髪の毛をつかんで引きずって来たのがこのドゥッシャーサナであった。そして公衆の面前でドウラパディーの衣服を脱がし始めたのもドゥッシャーサナであった。

 この暴挙に怒り狂ったパーンダヴァの5王子の一人ビーマは、「この罪深きドゥッシャーサナの胸をかっ裂き、その心臓の血を飲まぬ限り、このオレは天国に決していかない!」と誓いを立てた。そしてとうとう会戦から15日目にしてその誓いを果たすときが来たのだった。

 ビーマはドゥッシャーサナに手当たり次第に武器を投げつけ、武器が尽きると戦車から降りてドゥッシャーサナにつかみかかり、戦車から引っ張り出した。そしてドウラパディーの髪の毛をつかんだ腕を根元から引き抜いて放り投げ、その肩に吸い付いて溢れ出る血を全て飲み干してしまった。