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  住民の家 Vishnu City




住民の家
天体観測をする人




 ああ、こんばんは。今、僕、天体望遠鏡で星を見てるんですよ。僕、星が大好きでねぇ、いつか宇宙に行ってみたいと思ってるんです。そういえばヴィシュヴァカルマンの街で宇宙飛行士を募集してたから、僕も参加してみようかなぁ。でも、やっぱり恐いしなぁ。ま、地球から眺めてるだけでも十分楽しいからいいや。

 おっ、北極星が見えたぞ。北極星って、常に北の空にあって動かないんですよね〜。星たちが自分の周りをグルグル回ってるなんて、いい気分でしょうね〜。あの北極星って、実は人間がヴィシュヌ様の恩恵で星になった姿なんだって知ってました?僕も宇宙飛行士じゃなくて、ヴィシュヌ様に一心にお祈りして星にしてもらおうかなぁ。あ、よかったら北極星になった人間の話、してあげますよ。

 
北極星になったドゥルヴァ
 昔々、ウッターナパダという王様がいたんです。ウッターナパダには2人の妻がいて、一人はスニーティ、もう一人はスルチという名前でした。そしてスニーティにはドゥルヴァという息子が、スルチにはウッタマという息子が生まれました。ところが、ウッターナパダ王はスルチとウッタマの方を愛していたんです。

 ある日、ウッタマがウッタナーパダ王の膝の上に乗って遊んでいると、ドゥルヴァがやって来ました。そしてドゥルヴァも王様の膝の上に乗ろうとしました。ところが、それを見ていたウッタマの母親スルチは、ドゥルヴァに「乗ってはいけません」と叱りつけたんだ。

 ドゥルヴァは自分だけウッタナーパダと遊んでもらえなくて悲しくなり、泣きながら母スニーティのもとへ行きました。スニーティはドゥルヴァをなぐさめて、「もしウッタマと同じようにお父さんの膝の上に乗りたかったら、ヴィシュヌ神にお祈りしなさい」と言ったんです。

 ドゥルヴァはその言葉を聞くと、父の都から出て行って、ヴィシュヌ様の恩寵を受けるために一生懸命苦行をしたんです。そしてヴィシュヌ様に「世界でもっとも高い境地に自分を置いて下さい」とお祈りしたんです。ドゥルヴァはまだ子供だったのですが、激しい苦行を行ったために世界が振動するほどになってしまいました。そこでヴィシュヌ様はドゥルヴァのもとを訪れて、ドゥルヴァの願いを聞き入れてあげました。

 こうして、ドゥルヴァは世界で最も高いところ、すなわち他の星々が中心として回る北極の中心に位置することになったんです。ドゥルヴァは北極星になったんですね。いやはや、すごい話です。

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