Holy India Empire
神聖インド帝国ヴィシュヌの街ヌリシンハの家>ヌリシンハの話を聞く
  ヌリシンハの話を聞く Vishnu City




ヌリシンハ




 我輩がなぜ、こんな人とライオンの中間の姿をしているのか、我輩の話を聞けば分かるのであ〜る。
 
ヒラニヤカシプを退治するヌリシンハ
 昔、ヒラニヤークシャとヒラニヤカシプという悪魔の兄弟がいたのであ〜る。ヒラニヤークシャはヴィシュヌ様の第3番目の化身、ヴァラーハによって退治されたのであ〜る。残されたヒラニヤカシプは、ヴィシュヌ様に復讐を誓って、無敵の身体を得るために激しい苦行を行ったのであ〜る。

 ブラフマー様は、ヒラニヤカシプが苦行によって蟻に食べ尽くされようとしているのを見て憐れに思って、聖水をかけて身体を元通りにしてやったのであ〜る。するとヒラニヤカシプはブラフマー様を褒め称えて願望を述べたのであ〜る。

「人間にも、獣にも、神々や悪魔にも殺されず、昼にも夜にも殺されず、家の中でも外でも殺されることのない身体にして下さい!」

 ブラフマー様はその願いを叶えてしまったのであ〜る。

 不死身の身体の手に入れたヒラニヤカシプは、ヴィシュヌ様に対する復讐を開始して、たちまち三界を征服して神々を天界から追い出してしまったのであ〜る。神々はヴィシュヌ様に助けを求めると、ヴィシュヌ様は近いうちになんとかすると約束したのであ〜る。

 ところで、ヒラニヤカシプには4人の息子がいたのであ〜る。その内、プラフラーダという子は熱心なヴィシュヌ教徒だったのであ〜る。当然、ヒラニヤカシプはプラフラーダを憎み、なんとか洗脳しようと試みたがダメだったのであ〜る。そこで手下の悪魔たちにプラフラーダを殺すように命じたが、ヴィシュヌ様に専心しているプラフラーダをいくら刃物で刺しても殺すことはできなかったのであ〜る。そこでヒラニヤカシプは教師をつけて、プラフラーダに悪魔の教えを教育させたが、逆に教師たちが感化されてしまい、ヴィシュヌ教徒になってしまったのであ〜る。

 怒ったヒラニヤカシプは、遂に自らプラフラーダのもとへやってきたのであ〜る。そしてプラフラーダに質問したのであ〜る。

「お前のいう神とやらはどこにいるのだ?」
「神は一切の場所におやします。」
「なら、この柱の中にもいるのだな?」

 ヒラニヤカシプは拳で玄関にあった柱を叩いたのであ〜る。すると、その柱の中から恐ろしい音が響き渡り、我輩ヌリシンハが現れたのであ〜る。我輩は人間でも獣でもない姿、すなわち人獅子の姿をしていたのであ〜る。ヒラニヤカシプは棍棒や剣を持って我輩に立ち向かって来たが、我輩はヒラニヤカシプを捕まえて、爪で引き裂いてしまったのであ〜る。爪は我輩の身体の一部だから武器ではないのであ〜る。その時は日没の瞬間だったから、昼でも夜でもなかったのであ〜る。しかもその場所は玄関だったから、家の中でも外でもなかったのであ〜る。つまり、ヒラニヤカシプの不死身の身体が無効になる条件で我輩は上手く殺したのであ〜る。これにて一件落着なのであ〜る。

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